ベトナムが舞台となっている本、小説や物語。旅行前に読みたい本【旅行の読み物】

ベトナムのホーチミン(サイゴン)やハノイなどが舞台となっている本、小説や物語をまとめてみました。

海外旅行するときにガイドブックだけでなく、その土地に関した小説や旅行先が舞台となっている物語を読んでから行くと、物語や小説と重ね合わせて感じる事ができ、ただ有名観光地を見て回るだけの旅行とは違った楽しみ方ができます。

ベトナム戦争関係の本がどうしても多くなりますが、それ以外の小説も載せています。

目次

 

草原に黄色い花を見つける グエン・ニャット・アイン

ベトナム人気作家グエン・ニャット・アインによるベストセラー小説。1980年代後半のベトナムの村(中部フーイエン州)が舞台で、ビクター・ブー監督により映画化もされています。

1980年代後半、ベトナムの貧しい村に生きる兄弟と、幼なじみの少女、そして彼らを取り巻く友人や大人たちが織り成す日常の物語。子どもらしい無邪気さと、思春期特有の不安定さ残酷さが交差する主人公には、大人は誰しもが、かつての自分を重ねてしまう。

つぶらな瞳 グエン・ニャット・アイン

ベトナム人作家グエン・ニャット・アインによるベトナムの農村が舞台の小説

ベトナム北部の農村、ドードー村。小学校から幼馴染として育った、ハー・ランと私。後年、「つぶらな瞳」と呼ぶことになる彼女と私は、教室でも、放課後も一緒だ。二人そろって県都の中学校に進学してからは、席も離れ離れになって、友達に戻れるのは、週末に村に帰るときだけになる。都会にあこがれる女と、ひたすら彼女に思いを寄せ続ける男。

サイゴン・タンゴ・カフェ 中山 可穂

タンゴがキーワードの短編集。タイトルの通りベトナムも舞台となっています。

インドシナ半島の片隅の吹きだまりのような廃墟のような一画にそのカフェはあった。主人はタンゴに取り憑かれた国籍も年齢も不詳の老嬢。しかし彼女の正体は、もう20年も前に失踪して行方知れずとなった伝説の作家・津田穂波だった。南国のスコールの下、彼女の重い口から、長い長い恋の話が語られる……。東京、ブエノスアイレス、サイゴン。ラテンの光と哀愁に満ちた、神秘と狂熱の恋愛小説集。

私たちみんなが探してるゴロツキレイ・ティ・イェイム・トゥイ

ベトナム人作家による作品。

ベトナム出身の作家による自伝的小説。1978年、一人の少女が、ベトナム南部の村を小さな漁船に乗って離れた。サイゴン陥落から三年後のことだった。難民となった少女は、シンガポールを経てアメリカに渡る。南カリフォルニアで家族は合流し、そこで暮らすようになる。しかし少女にとって、漂流の日々が終わったわけではなかった。ベトナムの子ども時代、海辺の村の祖父母の家、いなくなった兄のこと、アメリカへ来てからの生活。現在と過去、夢と現実の間を行きつ戻りつしながら、少女の回想は詩的に、天真らんまんに語られる。

愛と幻想のハノイ ズオン・トゥー・フオン

ハノイ在住のベトナムの作家。「ズオン・トゥー・フオン」の作品でタイトルの通りハノイが舞台です。

大恋愛の末に結婚して幸福だったはずなのに、リンは夫グエンを愛せなくなっていた。純粋な性格ゆえ夫の過ちが許せず、さらには、年齢の離れた有名作曲家チャン・フォンと恋に落ちてしまう。彼には妻がいたし、多くの女性と不倫を重ねてきた過去もあったが、「本当に愛を感じたのはきみだけだ」という言葉をリンは信じた。その愛は“真実”か“幻想”か…。政治的、経済的に混迷をきわめた1980年代のベトナムを舞台に、ひとりの女性が、究極の愛を求めて成長していく感動の物語。

流れ星の光 ズオン・トゥー・フオン

表題の流れ星の光の他8作が収録されています。

女性共産党員の恋愛をユーモラスに描いた表題作をはじめ、帰還兵、女教師、会社社長、女工員、待職青年などの、現代ベトナムの素顔を生き生きとあぶり出す、秀作8篇。ベトナム戦争終結後の新しい文学。本邦初訳。

アジアの隼 黒木 亮

ベトナムが舞台の国際経済長編。

新興国市場として急成長を続けるアジア市場。90年代半ば、邦銀でアジアを担当していた真理戸潤は、ドイモイ政策で外国投資ブームに沸くベトナムの事務所開設を託されハノイに赴任した。一方、アジア市場で急成長を遂げ、勇名を轟かせる香港の新興証券会社があった。その名は「ペレグリン(隼)」。同社の債券部長アンドレ・リーは、アジアの王座への野心を胸に、インドネシアのスハルト・ファミリーに近づいていく。賄賂が横行する共産主義体制下で、事務所開設に四苦八苦を続ける真理戸は、邂逅した日系商社マンから、ベトナムの巨大発電所建設のファイナンスを持ちかけられた。約6億ドルのビッグ・ディール落札を目指し、熾烈な闘いを繰り広げる各国の企業連合。真理戸と日系商社の前に、アジア・ビジネスの暗部を渡り歩く大手米銀のシンが立ちはだかった…。やがて迫り来るタイ・バーツ暴落と通貨危機。その時市場では何が起こったのか? そして三人の東洋人のディールの行方は?

地下へ/サイゴンの老人 ベトナム全短篇集 日野啓三

ベトナム戦争時に特派員として現地に滞在した著者のベトナムに関する作品集です。

小説家・日野啓三が誕生した場所―ベトナムに関わる全短篇を集成。一九六四年、新聞社の常駐特派員として戦乱の地・南ベトナムに赴任、民衆や兵士の悲惨に直面し、溶解する現実感覚を“小説”のかたちで表現することを決意。六六年、初の小説「向う側」を発表、その後連続して、ベトナム戦争を舞台に、形而上的想念を、虚構的、実験的な作品へと昇華。単行本未収録作品六篇を含む、貴重な一書。

サイゴンから来た妻と娘 近藤 紘一

近藤 紘一は、他にもベトナム人の妻を題材とした作品を書いています。

戦火のサイゴンで日本の新聞記者が、大輪の花のような笑顔に惹かれて子連れのベトナム女性と結婚した。親に絶対服従のスパルタ教育にショックを受け、可愛いペットのウサギ料理に度肝を抜かれ……。毎日のように巻き起こる小事件を通して、アジア人同士のカルチャアギャップを軽妙な筆で描く、第10回大宅賞受賞作品

輝ける闇 開高 健

ベトナム従軍記者として滞在した開高 健の長編。他にもベトナム戦争関連の著書多数。

銃声が止んだ……虫が鳴く、猿が叫ぶ、黄昏のヴェトナムの森。その叫喚のなかで人はひっそり死んでゆく。誰も殺せず、誰も救えず、誰のためでもない、空と土の間を漂うしかない焦燥のリズムが亜熱帯アジアの匂いと響きと色のなかに漂う。孤独・不安・徒労・死――ヴェトナムの戦いを肌で感じた著者が、生の異相を果敢に凝視し、戦争の絶望とみにくさをえぐり出した書下ろし長編。

越南勉強帖―ベトナムについてお勉強してみませんか? 鈴木 珠美

食を通じてもベトナムを知ることが出来る本です。

ベトナム料理店“キッチン”の鈴木珠美が、食を通し、ベトナムの歴史や地理、文化を探るベトナム勉強帖。ページを開けば、そこにはベトナムの元気な雰囲気が広がります。ベトナムの基本情報から神話、食材の図鑑も掲載。日本でも作れる、とっておきの“キッチン”直伝レシピつき。

建築のハノイ―ベトナムに誕生したパリ 大田 省一

ベトナム旅行は建築物を見に行くという人にオススメの本です。写真多数。

ベトナムは建築が面白い。大聖堂もオペラ座もアールデコの館もある。東洋のパリは建築の宝庫。

クォン・デ―もう一人のラストエンペラー 森 達也

1905年、日本に来日したベトナム(阮朝)の皇族「クォン・デ」のノンフィクション。

1951年、杉並区の粗末な貸家で孤独に息絶えた老人・クォン・デ。彼はフランス植民地支配からの祖国解放運動のため、45年前に来日したベトナムの王子であった。母国では伝説的カリスマであった彼が、その後なぜ一度も帰郷できず、漂泊の日々を送らねばならなかったのか…。満州国皇帝溥儀を担ぎ出した大東亜共栄圏思想が生んだ昭和史の裏ミステリーを、映画界の奇才が鮮やかにドキュメント。

観光コースでないベトナム―歴史・戦争・民族を知る旅 伊藤 千尋

ベトナムの歴史を勉強してから旅行すると、また違った旅行になることでしょう。

小国が超大国に勝ったベトナム戦争。あれから40年、戦争の傷跡がいまも残る中、果敢に、ダイナミックに新たな国づくりに励むベトナムの「今」を伝える。

ベトナムの風に吹かれて 小松みゆき

映画「ベトナムの風に吹かれて」の原作で原題は「越後のBaちゃんベトナムへ行く」

ベトナムの首都ハノイで、日本語教師として働く著者。新潟に住む81歳の母とは離れて暮らしていたが、母の認知症がひどくなり介護の必要性が増したことから、母をハノイに迎え同居生活を始めた。人間関係の濃い下町の旧市街や旅先での緑豊かな山々の光景に刺激され、母はイキイキと昔の思い出を語り出す。転倒による大怪我や失踪事件などのトラブルにもめげない母娘。等身大の海外介護の日常をユーモラスに綴った感動のエッセイ。

サイゴンのいちばん長い日 近藤 紘一

窓を揺るがす爆発音、着弾と同時に盛り上がる巨大な炎の入道雲、必死の形相で脱出ヘリに殺到する群衆、そして戦車を先頭に波のように進行してくる北・革命政府軍兵士……。一国の首都サイゴン陥落前後の混乱をベトナム人を妻とし民衆と生活をともにした新聞記者が自らの目と耳と肌で克明に記録した追真のルポ。

この単行本はサイゴン陥落約五ヶ月後の1975年10月初めに私の勤務先と関係が深いある版元から出版された。初版は一万数千部だったと覚えているが、幾つかの事情から初版発刊後、著者から申し入れて絶版処分にしてもらった。最大の理由は、与えられた執筆時間が極度に短く、著者としては最大限の努力はしたものの、われながらあまりの拙速ぶりに忸怩としたからである。

ベトナム戦記 開高 健

ベトナムに滞在していた開高健のルポルタージュ

この本は1964年末から65年初頭にかけて、開高健がサイゴンから「週刊朝日」に毎週送稿したルポルタージュを、帰国した開高自身が大急ぎでまとめて緊急出版したものである。

黄金の島 真保 裕一

ベトナムが舞台の国際サスペンスの大作。

自由と、豊かな暮らしにあこがれるベトナムの若いシクロ乗りたちの前に、組織に追いつめられた日本人ヤクザ・タチバナが現れた。波濤の先にあるのは、禍いか希望か?夢を追って命を賭けるか、愛を求めて身を捨てるか!2年ぶりの長編、圧倒的迫力のアジアン・ノワール巨編、ついに刊行。

観光コースでないサイゴン  野島 和男

普通のガイドブックに載っていないホーチミンに行ってみたい方に。

ホーチミン市は、1975年ベトナム戦争が終わるまで、南ベトナムの首都サイゴンでした。サイゴンは1859年フランスの支配に始まり、1975年、ベトナム戦争の終結とともにその名を消しました。しかし、街にはいたるところに「サイゴン」があふれ、市民は誰でもここをサイゴンと呼びます。フランスが威信をかけて作り上げえあげた理想の港湾都市サイゴンを歩きながら、この街の歴史と戦争の跡を訪ねます。

戦争特派員(ウォーコレスポンデント) 林 真理子

ベトナム戦争の取材経験をもつ中年ジャーナリストが登場します。

有名デザイナーのアトリエに勤める奈々子は、出張帰りの飛行機のトラブルで、台北空港に足どめされた。そこで出会った男は、ベトナム戦争の取材経験を持つジャーナリストだった―。最先端のファッション業界を軽やかに生きながらも、ほんものの恋を求め始めた28歳の女性の心の戸惑いを、ストレートに描いた、渾身の長篇。

アオザイ美人の仮説 -おもしろまじめベトナム考 高橋 伸二

ベトナムで見る事が少なくなってきたアオザイ美人について時事通信社ハノイ支局長だった高橋 伸二がまとめています。

なぜベトナムの女性は嫉妬深いのか!?時事通信社ハノイ支局長の熱風取材録。

午前三時のルースター 垣根 涼介

ベトナムが舞台のミステリー小説。

旅行代理店に勤務する長瀬は、得意先の中西社長に孫の慎一郎のベトナム行きに付き添ってほしいという依頼を受ける。慎一郎の本当の目的は、家族に内緒で、失踪した父親の消息を尋ねることだった。現地の娼婦・メイや運転手・ビエンと共に父親を探す一行を何者かが妨害する…最後に辿りついた切ない真実とは。サントリーミステリー大賞受賞作。

TRANSIT(トランジット)38号ベトナム 懐かしくて新しい国へ

雑誌になりますが、永久保存版として置いておきたい「TRANSIT(トランジット)」のベトナム特集号

目まぐるしい変化の只中だけれど、目の前にはいつか見たようなほっとする風景がある。懐かしくて新しい、今しか会えないベトナムへ。

青春の源流〈1 源流篇〉 森村 誠一

全4巻の「青春の源流」は森村 誠一の大河ロマン。ディエンビエンフーに行く際は一度読んでおくと違う旅を感じることができるかも知れません。

昭和18年秋。逢坂慎吉と楯岡正巳は「最後の山行」を敢行した。戦局は苛烈を極めており、学徒動員体制が決定して、二人とも12月入営を控えた寸暇を惜しんでの登山であった。北アルプスを縦走して山を下りた二人の胸中には、途中立寄った山荘の娘・日暮美穂の「卑怯をしても帰ってきてほしい」という言葉が、重く響いていた。そして―。徴兵を忌避し山に隠れ敗戦を迎える逢坂。遠くベトナムで敗れ、ベトミン軍に身を投じる楯岡。ともに希望に燃え山を愛した二人の若者の、戦争に翻弄される鮮烈な運命を描いて、青春の本質を問いかける大河ロマン。

浮雲 林芙美子

ベトナムのダラットやビンなどの描写も出てきます。青空文庫でも無料で配信されています。成瀬巳喜男監督による映画化もされています。

第二次大戦下、義弟との不倫な関係を逃れ仏印に渡ったゆき子は、農林研究所員富岡と出会う。一見冷酷な富岡は女を引きつける男だった。本国の戦況をよそに豊かな南国で共有した時間は、二人にとって生涯忘れえぬ蜜の味であった。そして終戦。焦土と化した東京の非情な現実に弄ばれ、ボロ布のように疲れ果てた男と女は、ついに雨の屋久島に行き着く。放浪の作家林芙美子の代表作。

人間の集団について―ベトナムから考える 司馬 遼太郎

アメリカがベトナムから撤退後のことを描いた紀行文。司馬 遼太郎によるこれからのベトナムの考察も書かれています。

鋭い史観による独特の発想と、優しい心に映った内戦下のベトナムの姿―。複雑な国際関係と政治の力学について、善意の知識人が誰一人として言及しなかった深い洞察がここにある。南ベトナム各地を歩き、直接眼にふれたナマの感覚から、人間そのものの問題に切りこむ、知的な刺激力に満ちた「第一級の思想書」である。

ハノイの純情、サイゴンの夢 神田 憲行

「ハノイ日本語学校始末記」の文庫版。

ここではない、どこかへ行きたい!30歳を目前にして僕は悶々としていた。そして、サイゴンの日本語学校の教師になった。驚きと興奮に満ちたベトナムの日々。《アジアのいまを深く描ける新しい感性の登場に拍手を送りたい》’97年度大宅賞・講談社ノンフィクション賞受賞の野村進氏が絶賛した痛快無類の異文化体験記!

ホーチミン・ルート従軍記―ある医師のベトナム戦争 1965‐1973 レ・カオ・ダイ

陸軍病院の外科医を務めたレ・カオ・ダイによる従軍記。

北ベトナム側にとってベトナム戦争の真実とは何か。ジャングルの戦争の日常、最前線の病院を描き出す傑出したドキュメント。人間を描く白眉の戦記。

農園の日差し タック・ラム

ベトナム人作家タック・ラムの作品。公益財団法人大同生命国際文化基金のサイトからダウンロードできます。

http://www.daido-life-fd.or.jp/business/publication/publish/vietnam/vietnam2.html

本書には、ベトナム近代文学を代表する作家の一人であるタック・ラムの短編小説12編と評論4編が収録されています。タック・ラムは「生きる」ということ、そして生きるということへの「覚醒」を追求した作家です。「ただ単に食べて眠り、遊ぶだけなら、その生き方には何の貴さもない。人生に必要なのは内面の生き方、魂の生き方である」と語り、小説は“人生を精神面でより充実したものにするためにある”という文学観のもとに執筆を続けました。

囚われた天使たちの丘 グエン・ゴック・トゥアン

ベトナムの著名な作家グエン・ゴック・トゥアンによる作品。公益財団法人大同生命国際文化基金のサイトから電子書籍が無料でダウンロードできます。

http://www.daido-life-fd.or.jp/business/publication/publish/vietnam/4907

ある家族の暮らしに幻想的で不思議な世界が展開される作品です。経済発展により、ベトナム社会の価値観の変化や混乱を経験した戦後世代の作者が、大胆で実験的な手法を駆使しつつ、文学の新境地開拓に果敢に挑戦した当作品では、伝統的な家族の絆、親子の愛情などの観念に鋭くメスが入れられるなど、従来のベトナム文学で描かれていたイメージをくつがえす斬新な内容となっています。当作品から、現代ベトナム文学の新たな息吹を感じ取っていただければ幸いです。

ベトナム現代短編集 1 2 マー・ヴァン・カーン他 著 加藤栄 編訳

ベトナム人作家による短編集。公益財団法人大同生命国際文化基金のサイトから電子書籍が無料でダウンロードできます。

http://www.daido-life-fd.or.jp/business/publication/publish/vietnam/vietnam2.html

ベトナム現代短編集 1
ドイモイ後、ベトナムの文芸界はにわかに活気づき、夥しい数の小説が次々と発表されるようになりました。編訳者の加藤氏は現代ベトナムの素顔をさまざまな角度から活写した作品を鋭い眼力で選りすぐり、一冊の短編集にまとめ上げました。これらの作品から、ベトナム人が日々どんな生活をし、何を心の糧として生きているのかを読み取ることができるでしょう。

ベトナム現代短編集 2
ベトナムの作家11人の作品を集めた短編小説集です。1990年代半ばから2000年にかけて現地で発表された作品を中心としています。作家各々の立場から、めざましい躍進を遂げているベトナムの社会、そこに生きる人々の姿や悩みが描かれています。

トゥイ・キォウの物語 グエン・ズー

ベトナムの教科書にも取り入れられ「ベトナム人の心に触れる近道であるとも言われています。」だそうです。

この物語は、グエン・ズー(阮攸。1765~1820)が、中国の通俗小説『金雲翹伝』(清・青心才人編述)から翻案した3,254行の長編詩で、ベトナム文学の金字塔と言われています。『物語ヴェトナムの歴史』(小倉貞男著、中公新書)の中では、「一人のうら若い女性の波瀾万丈の悲しいストーリィに盛られた教訓は小学校から教科書に取り入れられ、ベトナム人はしばしばこの物語の文章を日常会話の中に交える」と紹介されています。

愛人ラマン マルグリット・デュラス

映画で有名な「愛人ラマン」の原作です。ホーチミンのチョロン(中華街)は映画の撮影現場にもなりました。

18歳でわたしは年老いた―。あの青年と出会ったのは、靄にけむる暑い光のなか、メコン河の渡し船のうえだった。すべてが、死ぬほどの欲情と悦楽の物語が、そのときからはじまった…。仏領インドシナを舞台に、15歳のときの、金持の中国人青年との最初の性愛経験を語った自伝的作品。センセーションをまきおこし、フランスで150万部のベストセラー。J・J・アノー監督による映画化。

ハノイ挽歌 辺見 庸

ハノイ特派員を務めたこともある辺見 庸の作品。

かつてハノイに、ホテル・トンニャットという「黙想の聖域」があった。熱と湿気とガラクタに満ちたそこを根城に、著者は闇にひたり、人の惰弱と強靱を見つつ、戦争と文明に思いを致し、永遠のアジアの息づかいを聞いた―。変わらざるベトナムの素顔を鮮やかに綴った、著者の原点となる随想集。巻末に日野啓三氏との対談を併録。

ベトナム・ストーリーズ 神田 憲行

筆者のベトナムでの滞在を記したエッセイ。

HON“G”DAのバイクって何?ニセ札の見分け方って?体重計り屋さんって、どんな商売?ベトナムを知り尽くした著者が鋭いツッコミと軽妙な筆致で「不思議の国」の魅力を描く、涙と笑いの感動エッセイ&ルポ27篇。

夏の雨 マーヴァンカーン

ベトナム戦争後のベトナム社会を描いた小説。

1970年代末のベトナムは、ベトナム戦争に勝利して南北統一を果したものの、国内的には南部の性急な社会主義化の失敗、相次ぐ天災、また国外的にはカンボジア侵攻、中国との紛争という、きわめて厳しい試練にたたされていた。本書はこうした時代情況の中、北部紅河デルタを襲った大洪水を舞台に、戦後ベトナム社会の抱えるさまざまな問題を浮き彫りにした現代ベトナム文学の代表的作品。1985年の文芸作品賞(農業問題)受賞。

インドシナ クリスチャン・ド・モンテラ

カトリーヌ・ドヌーヴ主演の映画「インドシナ」の原作です。ベトナムの世界遺産であるハロン湾の風景が登場します。

1930年代のインドシナを舞台に、居留民とフランス政府高官との抗争、忽然と現れた民族運動の抗争という”二つのインドシナの夢”の抗争と、歴史のうねりに翻弄されながらも、愛と情熱と夢と冒険に生きる一人の女性の生涯を描く、大河ロマン。

一号線を北上せよ<ヴェトナム街道編> 沢木 耕太郎

深夜特急の沢木 耕太郎が50代になってからベトナムを旅した紀行文。

ここではないどこかに。「夢見た旅」をもとめて
旅に出たい――身を焦がし、胸を締めつける思い。ホーチミンからハノイまで、〈私〉は幹線道路をバスで走破するイメージに取り憑かれてしまった。飛行機の墜落事故で背中や腰を痛めた直後なのに、うちなる声が命じるのだ。「一号線を北上せよ!」テーマ別に再編集を加えた「夢見た旅」の記録、待望の文庫化。

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